みんなで初詣にいくよ! 「正月イン・ザ・ダーク......!!」 「黙れうるさい」 「...!! ...ひっどー! ちょっと雷蔵今の聞いた? 三郎ひどくない?」 「あぁー......昨日彼女にふられたらしいよ。それでちょっと機嫌悪いみたい。」 「えっ! あのかわいい彼女にふられたのか?!」 「ハチうるさいっ!」 「こりゃふられてもしゃあないですわ。ふられて腹立つからって人にあたるとか最悪だもん。」 「...チッ!」 「...! あっ、今舌打ちした! 雷蔵聞いた??」 「聞いた聞いた」 「だから三郎今日は来たのか。誘っても来ないと思ってたのによ。」 「楽しく五人で初詣しようと思ったのにねー」 「ねー」 「ねー」 「...(なんでこいつらは落ち込んでる俺に追い討ちをかけるのだろう)」 「やっぱモテるのは優しい男だからさ。間違っても暴言なんか吐かない。あっ、みんなここメモっといて!重要だから!」 「(楽しそう)」 「メモるか!...ってハチ何メモってんだよ!」 「男は...やさしくなければ...いけない!...っと!(がりがり)」 「おっ! 竹谷は熱心だなー。たくっ!お前らも少しは見習えよ!」 「はいはい」 「うざい」 「いえ...そんな熱心だなんて...よしてください。」 「謙遜するな! ...だがお前のそういう不器用なとこ先生好きだぞ!」 「何キャラだ」 「兵助と勘右衛門遅いなー」 「そんな竹谷にはもう一つ教えておいてやる!」 「えぇ?! いいんですか?!」 「あぁ、特別だぞ!」 「先生...!」 ....タララタタッタッタッ♪ 「(雷蔵悪戯した時のまま三分クッキング使ってるのか...)兵助か?」 「ううん。勘右衛門から」 ピッ 「もしもし?」 「男にはもちろん優しさも必要だ。だがそれ以上に必要なのは...」 「必要なのは...?(ゴクッ)」 「あっ、そうなんだ。兵助も一緒?」 「...」 「...」 「さっさと言えよ。もったいぶんな」 「...金だ」 「か、金...?」 「金かよ」 「全然大丈夫。とハチは変な芝居してるよ」 「そうだ。金があれば大抵のことはうまくいく...」 「そ、そんな...!」 「いきなりシビアだな」 「ありがとう。ちょっと待ってね。コーヒーかコーンポタージュかココアどれがいい?って勘右衛門が」 「私ココアッ!」 「俺コーンポタージュ!」 「コーヒー」 「あっ、勘右衛門? ココア二つとコーンポタージュ一つとコーヒーでお願い」 「あぁ、世の中金なんだ...」 「先生...! 俺全然貯金、ないです!」 「おい、まだ続けんのかよ」 「うん。僕とがココアでコーンはハチ、三郎はコーヒー。......え? ごめん聞こえない。兵助の声がうるさくて」 「大丈夫だ! 今から溜めればいい!」 「先生...! 俺がんばります!」 「こんなに延ばしておいて結局は金かよ」 「以上。めちゃモテ講座でした」 「おつかれーすっ!」 「いや。竹谷くん、君の演技良かったよ」 「あっ、あざーすっ! ...大御所のさんに褒められちまったぜ!」 「え、なに? まだ続くのこの茶番」 「けど鉢屋、お前ちょっと後で楽屋に来い」 「はぁ? 俺そのおかしな劇に参加してないんだけど」 「うっひょー。こえー! さんに楽屋呼び出しとか!」 「...うん。分かった。...ハチ! 兵助が今なら豆乳ブレンドもあるって」 「え、普通でいい」 「普通でいいって。......ちょっと兵助おちついて」 『ハチ! お前豆乳ブレンドは期間限定で今しかチャンスはないんだぞ!』 「電話口から声が聞こえるとかどんだけだよ...。」 『おい! ハチ聞こえてんのか?! 兵助やめて! みんなこっち見てるから!』 「ハチ、勘右衛門がかわいそうだよ」 「だな...じゃあ、それで頼むわ兵助」 『ハチ! お前はいま正しい選択をした! 絶対に豆乳ブレンドを選んだこと後悔させないからな...!』 「あ...うん」 『ハチ、ごめんね』 「いや、いいよ。豆乳くらい...勘右衛門に比べたら」 「はー、鉢屋お前、つっこむならもっと本気でつっこんでこい!」 「はぁ?」 「そんなソフトなつっこみじゃ私たちのボケが上手く決まらないだろ!!」 「知るかっ!」 「あぁ、うん。喧嘩じゃないよ、大丈夫。すごくくだらないことだから」 「それだ...! そのキレを待っていたんだ...!」 「...めんどくせ!」 「うん。ありがと。じゃあ待ってるね」 ピッ 「女に現を抜かせてそのキレをどこかに捨ててしまったのかと思ったぞ...!」 「さん! そこまで三郎のこと...!」 「どういう状況?」 「知らん。俺が聞きたい」 「さん! だから三郎に彼女が出来た時あんなにぐちぐち言ってたんですね?!」 「...! こら! 黙れ、ハチ!!」 「え?」 「なになに?」 「なんでもない!! ハチ! シッ!!」 「こいつ三郎に彼女が出来た時、すげぇ不満そうな顔してて...ふがっ」 「黙れこのばかっ!」 「え、そうなの?」 「...ふーん」 「もがもが...」 「なに言っちゃってんの?! ハチ(小声)」 「...ふがっ! だってホントのことじゃん」 「まだ言うか! こいつ!」 「いたっ! 殴んなよ!」 「(まさかって三郎のこと..)」 「(まさかこいつ俺のこと...)」 「もう三郎にも雷蔵にも聞こえたって! なぁ?」 「うん...」 「まぁ...」 「それで何であんな不満そうにしてたんだ? ハッ! ...も、もしかして三郎が好きなのか?!」 「(なんだって...?!)」 「(今までその可能性に気付かなかったのか...?!)」 「ちっ! ちがうっ!」 「なんだ。そうか(ほっ)」 「(なに...?!)」 「(あっさり信じた、だと...?!)」 「うん」 「じゃあ何であんな顔してたんだ?」 「え!」 「それは僕も聞きたいな」 「なっ、本気か雷蔵」 「三郎は黙ってて(ギロッ)」 「あっ、はい...」 「もう!ハチが余計なこと言うから!」 「わりぃ! ははッ」 「(全然反省してねぇ)」 「それで? なんでなの?」 「...」 「(の気持ちは...う、嬉しいが。こいつらとの友情だって大切なんだ...!)」 「三郎のこと好きじゃないなら言ってもいいだろ?」 「ね、いいでしょ」 「...別にどうでもよくね? っていうか兵助と勘右衛門遅くね? っていうか寒くね?!?!」 「(...必死すぎる)」 「早く言えー!」 「そうだよ。さっさと言って楽になっちゃいなよ」 「(尋問...?)」 「くそっ! .........〜だからだよ!!」 「え?」 「聞こえなかった」 「(肝心な所が全然聞こえない)」 「だから! 三郎に彼女出来たら今までみたいにみんなで遊べないなって思ったから!!」 「え」 「え、」 「...え?」 「みんなと一緒がいいんだよ。一人だってかけて欲しくないんだ...!」 「! お前...!」 「うんうん。僕もそうだよ(良かった。勘違いで)」 「...えぇー(やばい。俺勘違い過ぎる...)」 「みんな...! 今年もよろしくね!」 「おぅ...! よし、みんなで円陣組もうぜ!」 「そうだね...!」 「えぇー...一体これはどういう展開なんだ...?」 「三郎! 考えるんじゃない...感じるんだ!」 「え? 意味わかんねぇ」 「よーし、円陣組むぞ!」 「ごめーん! 遅くなっ......」 「ハチ! せっかくの豆乳が冷えないように懐に入れてきてやったぞ! ん? どうしたんだ、勘ちゃ......」 「...」 「...」 「兵助、なにあれ」 「円陣? 円陣組んでる?」 「周りからすごい浮いてるんだけど...(どうしよう、仲間だと思われたくない)」 「寒いからじゃない?」 「え?」 「いや、寒いから円陣組んでるんじゃない?」 「兵助...?(本気? 冗談?)」 「寒いから俺らも入れてもらおう!」 「いや、いい。遠慮しとく! 俺は大丈夫だから! 離れたとこで見とくから! 見とくだけでいいから!」 「勘ちゃん...大丈夫。怖くないから...」 「やめろぉぉ! 手を掴むな!」 「...ほら、こわくない」 「やめろぉぉ! 姫姉さまの真似をするなぁ! 俺は群れからはぐれたキツネリスじゃないぞぉぉ!」 「あっ、兵助と勘ちゃんだ!」 「なにしてんだ? 勘右衛門は」 「なんか兵助に引きずられてるね」 「(ここに近寄りたくないんだろ...)」 NEW ☆★☆ YEAR ☆★☆ (20110103)ギリギリセーフ! |